差し出された手
太陽が高く、青空が色濃い時間から
太陽がオレンジ色になり、空が青からオレンジに変わり
紺色となり太陽と変わって月が光出す
長時間、同じ場所に居て待っている。
だが、待ち人は来ず時間が来て帰る事になる。
何回待っても会えない・・・・
段々不安になってくる・・
もう会えないかも知れない
心の中を支配し始める中、暗い道を歩いて帰る
いつもは将と帰るのに今日は連絡が取れなかった。
おやっさんの所でサッカーの練習をしてるんだろうなぁ・・・
将のサッカーをしている姿が好き
必死になって追い掛け回して
どこにボールが行っても諦めないで取りに行く
もっと上手くなりたい!
そう思う心が伝わってくる
だから将の邪魔はしたくない
寂しくて将に話を聞いて貰いたいのにココにいなくて
小さな事なのに、周りから誰も居なくなってしまった
みたいに感じる・・・
弱気になっちゃダメだ!
首を勢い良く振って、今まで考えていた事を
振り払う。
下を向き早足であるいていると数人と擦れ違った後、
自分の後を付いて来る気配に気付き速度を早目歩くが
離れる事がなく、一定の距離を保ちながら人が付いてくる気配に
恐怖を感じ顔を上げず歩いていると、前方から名前を呼ばれ
顔を上げると数日前に会った水野が立っていた。
「水野君!」
顔見知りに出会え、安心しは水野の元に走り寄り
なるべく後ろを見ない様に話し掛けた。
「あの、なるべく視線を動かさない様にして
私の質問に答えてくれますか?」
の張り詰めた言葉を聞き、水野は頷くとは話を続けた。
「私の後ろに誰か居ますか?」
に質問の意味と今までの経過予想が付いた。
水野はなるべく視線を動かさない様にが歩いて来た道を見て
見ると少し離れた所にスーツを着たの男性が立ち止まり
携帯で電話をしている姿が見えた。
「あぁ、男性が一人」
捜し当てた人物から視線を外さないでの問いに答えると、
落ち込んでいるのか、困ってあるのか解らない声で返事が帰ってきた
「そうですか・・・」
「風祭はどうしたんだ?」
の言葉を聞きならも、いつもなら2人一緒にいるのが
当たり前なのだが、出会って人物は1人でもう1人の姿は
見当たらず、疑問の言葉を問い掛けると
「先ほど電話をしたんですけど、留守番電話になったので
たぶん、おやっさんの所じゃないでしょうか?」
確かに今までの事を思い出せば直ぐにでも思い付く
事なのだが、が東京に来て以来今までとは違う
生活を過ごしていると思っていたがソウではなかった。
「じゃぁ、家に帰っても1人なのか?」
「功兄も仕事なので、将が帰ってくるまで
ソウなりますねぇ」
会話中も水野の視界には一向に動いていない
人物を捕らえていた。
「風祭が帰ってくるまで俺の家に居るといい。
あの様子だと俺が送って行っても一人だと
気がついた瞬間、部屋まで乗り込んできそうな
雰囲気だからな」
「ですが・・」
「俺の家は女ばかりだが人数がいる。
何かあっても対処が出来るはずだ」
会話をしている時も後ろにいる人物は動かず
同じ体勢のままこちらの動きを監察していた。
自分の背後に全集中して人の気配感じ取っていた
も水野の言葉に不安を感じ、遠慮しながら
小さく頷くと、水野は方向転換しの真横に
歩く様に言い、水野も歩調を合わせ歩き出した。
「なんだか変な事に巻き込んでしまってすいません」
後ろの気配を感じながらも厄介な事に巻き込んでしまった
事に対しては詫びを入れると
「いや、何かある前に会えて良かったよ」
「ですが、サンポ途中だったんですよね?」
水野も後ろから人が付いてくる気配を感じ、表情を
強張らせながら、の話を聞いていると
自分の横に歩いているゴールデンレトリバーに視線を移すと
自分達の張り詰めた雰囲気を感じ取っているのか度々
後ろを振り返り人物を確認すると耳を動かしながら
前を向き歩いている。
「あぁ、だが帰り道だったからちゃんが
気にする事は無いさ。それより俺から離れるなよ」
「はい」
「さて、もうすぐ家だが・・まだ着いて来るきかぁ」
後ろにある気配に溜息を付きながら
住宅が続く道を歩き、その中の1つの家に
入る為、の肩ぐらいの高さの門を
開け、水野は中に入る様にを促すと
も遠慮しているのか、すまなさそうに
水野の顔を見て先に玄関へと歩いている
犬の後に付いていった。
が玄関のドア前に立つと、後ろから水野の手が
ドアを開け、再び入る様に促され、犬と共に
入っていくと、遠くから女の人の声が聞こえ、
声が近づくと共に、姿も見せた。
「竜ちゃん、ホームズおかえりなさい」
出迎えに来た女の人がと目が合うと
一瞬驚き、目を大きく見開いたが
が頭を下げるとにっこりと微笑み
「初めまして。私は竜也の母です」
自己紹介をしてくれた。
「夜分遅くにお邪魔してしまってスミマセン!
私は風祭です」
水野の母親だと言う女性の笑みに見とれていた
は慌てて自分の事を言うと、再び頭を下げた。
「いえいえ。何も無い家ですけど
ゆっくりして行って下さいね」
「ありがとう御座います」
との会話がなされる中、玄関のドアを閉めながら
家の前で立っているかもしれない男の姿を探す為
暗くて見にくい外を凝視してから、ゆっくりと玄関を閉め
カギを掛け、の横でお座りをしていた
ホームズと呼ばれた犬の足をタオルで汚れを拭き取ると
交わされていた会話に参戦した。
「彼女は風祭の妹さんで、先日九州から
お遊びに来たんだが、家に帰る途中に
後を付き回されている所に俺を会ったんだ。
話を聞いたら帰っても誰も居ないて言うし
危ないから家に連れてきた」
「竜ちゃんの彼女さんじゃいの?」
「だから、彼女は風祭の妹で・・・・」
「それは聞いたわ。竜ちゃんが女の子を連れて帰ってくる
なんて始めてだってからお母さんソウ思っちゃって・・・・・
すっごく良い子だからお母さん嬉しかったのに・・・」
水野に改めて自分の事を説明され、なんだか誤解されている
事も解り、心底残念そうに話している水野の母親に
申し訳なくなり思わず
「すみません」
謝ったに
「いいのよ。おばさんが勝手に間違えたがけだから
ちゃんが気にする事はないわ。
こんな所で話もなんだから上がって」
「気にする事はないよ。こんな所で話すのも
なんだから上がって」
2人から室内に入る様に言われ、
お邪魔します
と、言葉を掛けて、案内された部屋の出入り口で
立ち止まっていると、ソファーに腰をかけていた
OL風の女性と、黒髪でロングヘアーの女性が
を見ると、2人で会話をし頷きあうと
に近寄り、言葉をかけた。
「こんばんわ。もし良かったらお姉さん達と
話をしない?」
「もちろん、貴方の知りたい事は全部、
教えて上げるわよ」
にっこり笑いながら、返事も返すヒマすら与えずに
2人の女性は先ほど自分達が座っていたソファーに
を座らせると、彼女達はを挟む様に座った。
「まずは、お名前を教えてくれるかしら?」
大人の笑みでOL風の女性がに質問をした
「風祭と言います」
「家族構成は?」
今度はロンクヘアーの女性がに質問をした
「父と母と2人の兄がいます」
「お兄さんて、どんな人?」
「社会人と中学生です」
交互に聞いてくる質問に速やかに答えを返すの
姿を見ていたのだが、お互い目を合わせ視線で会話を
すると、今度は頷き合い再びOL風の女性から
に向って質問をした。
「ちゃんは竜也のどこが好き?」
「え?」
「出来れば、交際してどれぐらいかも聞きたいなぁ」
「あ・あの・・・・」
先ほどまで速やかに質問に答えていたが
口ごもりだし、困った様に下を向いてしまったのを
照れていると思った2人はを安心させる様に
穏やかな声で言葉をかけた。
「ちゃんが言った事は絶対竜也には言わないから。
安心して」
「約束するから!ね」
「安心も出来ないし約束も出来ないでしょう・・・・
これ以上、ちゃんを困らせるなよ」
いきなり乱入してきた声には顔を上げ
声の主の確認をすると、水野と視線が合い
「ちゃんは男に追い掛け回されている所に
俺と会ってココに連れて来たんだ。
2人の考えている関係ではないよ」
どうしてココに居るのかの説明を2人にすると
その言葉を聞いた瞬間2人の女性はソファーから
立ち上がり、カーテンの引かれている窓に近寄ると
カーテンを少しずらし、外に広がっている風景を観察した後
ずれてしまったカーテンを元に戻しの姿を見ていると
「家の周りには誰も居ないみたい
とりあえず警察に電話して巡回して下さいとお願いしておいたわ」
をこの部屋に案内してからどこかに行っていて姿が見えなかった
水野の母が現状状況を説明してくれた。
「まったく、こんな少女の後を付け回すなんて
非常識にも程があるわ!!」
「本当だわ!!ナニを考えているのかしら!」
話を聞いた2人が自分の事の様に怒ってくれ
嬉しくなってはさっきまで強張っていた表情が
元の様に、動く様になった事に気付き微笑んでいると
水野が安心した様に小さくため息を付くと
「もうそろそろ風祭が帰ってきてる時間だろうから
家に電話した方がいいんじゃいか?」
「あ!そうですね。すいませんが電話貸して頂けますか?」
同じ様に強張っていた水野の表情に余裕が出てき始め
に提案を出すと、も思い出した様に声を上げ
出入り口に立っていた水野の母親に言うと
どうぞ
と、言葉を貰い水野に案内され自宅に電話をしていると
OL風の女性に水野が呼ばれ、に
すまない
と、片手を顔の前に出し小声で誤ると
水野はの傍を離れ呼ばれた人物の元に行くと
「竜也!ちゃんの事どう思っているの!?」
予想もしてなかった質問に
「なんとも思ってないけど」
出来るだけ冷静に答えるが
「本当に何とも思っていないの?」
と同じ様に2人の女性から質問され
「思っていても、妹みたいな感じにしか思ってないよ」
初めてそういう印象を受けた時の思いを言うと
「あの子を彼女にしなさい!イイわね!!」
「ナニ行ってるんだよ!俺は妹くらいにしか思っていない
て、言ってるだろ」
「だから!昔の人の様に、小さい頃から付き合って
自分の理想とする女性に育て上げるのよ」
「それって・・・」
「名づけて『現代版・光源氏大作戦!』よ」
「犯罪になるて・・・・・・・」
「ナニ言ってるの!!あんな可愛い子、他探したって
中々いるもんじゃわ!!」
「可愛くて、礼儀正しいなんて今ドキいない子よ!
絶対オトしなさい!」
白熱した質問大会が女性2人の白熱と
呆れ果てて言葉が出てこなく水野
という、珍妙な状態になっている中
水野の母親に連れられたが戻ってきて
一時中断された。
が、のちに再戦となる言葉が母親の口から
言い渡された。
「ちゃんには泊まっていって貰う事にしたから」
この言葉によって、笑う者と、頭を抱える者がいたが
頭を抱えた者は無理やり立ち直り
「とりあえず、部屋の準備が出来るまで
俺の部屋にくると良い。行くぞホームズ!」
気分的に重たい足を引っ張って、これ以上
ややこしくならない様に部屋に逃げ込む事にした。
水野の後に付いていくの姿に女性3人は
何か怪しげな笑いをしながら見送っていた。
「風祭は何か言ってたか?」
部屋に入ったのはいいが、先ほどの発言が
頭の中に残っていて自分1人が気まずい気分に
なり、ソレを振り払う様にに言葉を掛けると
「水野君に迷惑掛けてゴメンて言ってました」
ホームズの頭を撫ぜながら水野の言葉に返すと
「そうか・・・風祭のヤツ気にしてなかったらいいんだが」
「大丈夫です。電話で気にしない様にて言いましたから」
「なら、大丈夫か」
「水野君も居ますから」
イスに座りながら水野は床に座り込んでホームズを
撫ぜている姿を見ていたが、の口から自分の事が
言われ、驚きながら聞き返す
「俺が?」
「はい。将が言ってたんです。水野君はすっごく
頼りになる人なんだよ。て
それに水野君が居なかったら今の僕は居なかった!
て言ってました」
「風祭がそんな事を言っていたのか・・・」
以前、クラブの休憩中に小島が同じ様な事を言われ
テレた様に遠くを見ていたが、今、小島の心情が解り
自分もテレくさくなり、から視線を外し近くにあった
本棚を見ていると、も水野の視線の先に気付いた様で
立ち上がり、本棚に近づくと1つ1つ丁寧にタイトルを見始めた。
「小説読むのか?」
あまりにも熱心に見ているのが以外に思え
思った事を言葉にすると
「はい。私運動するより本を読んでいる方が好きなんですよ」
嬉しそうに頷くが、視線は本棚から離れなかった。
「どんなジャンルが好きなんだ?」
「そうですね・・・歴史関係を多く読みますけど
気に入ればどんなジャンルでも読みます」
「そうか、俺の本棚は推理物しかないから
ちゃんが気に入る物があるといいんだが」
椅子から立ち上がりの横に並び本の説明と
軽く中身を話して行くと、気に入った本が見付かったのか
1冊の本を手に持ったままの動きは止まってしまった。
「その本なら俺は読んだから気に入ったなら貸すが」
「本当ですか!?」
「あぁ、犯人もトリックも頭の中に入っているからな。
でも、日本人作家の本で良かったのか?
シャーロックホームズの方が読みやすいと思うが・・・・」
「私、どうもカタカナの名前を覚えるのがニガテで・・・・」
「まぁ、その本を読んでみて気に入ったなら続きがあるから
ソレを読み終わってからでもイイしな」
「そうですよね!」
多分、作者とタイトルと出版元を覚える為に動きを止めて
居たのだろう
本を片手に嬉しそうのにホームズとなにやら話している
をみながら思っていると、女性2人の言葉が浮かび
忘れる様に頭を左右に振りイスに座り直すと
ホームズの横に座っていたが水野に言葉をかけてきた
「この犬、ホームズて、言うんですよね?」
「え?あぁ、そだけど」
「シャーロックホームズのホームズですか?」
「あぁ」
「そっか!」
水野を見ていた目がホームズを移し、は再び
ホームズを撫ぜながら、嬉しそうに話し掛けていたが
思いついた様に水野の顔を見て
「もし良かったら、将の事少しでも教えてくれませんか?」
「風祭の事を?」
「手紙とか電話とかでは聞くんですけど、皆の事ばかりで
将の事少ししか知らなくて・・・・・」
苦笑しながら言葉を言うと
「俺で良いなら」
と、言うと将が桜上水に転校して来た頃の話から
水野は語り出した。
の嬉しそうに聞きながらも、驚いたり、悲しんだり
笑ったり、色々表情を変えながら水野の話を真剣に聞いた。
そんな中、水野の部屋から聞こえてくる声を聞きながら
自分達の夢は近いと拳を握り頷く女性2人と
そんな様子を嬉しそうに微笑みながら見ながら
自分の息子の嫁がである事を心の中で祈っる
母親の姿があった。